「サディスティック・ミカ・バンド ファーストアルバム」
キラキラ星の彼方には……
一口食べれば
目が醒めるという
果物があるとか
なぜか神様は あらゆるものを水にして流してしまうという化け物をそこに置いて
魔法の果物を守らせているという
神様は 人間たちが長い夢から醒めるのを 嫌われているのだった
土星の輪のあたりで でっちあげられた この伝説はいつしか人々に忘れられた
魔法の果物は 毎年しずかに花を咲かせて しずかにその実を腐らせている
化け物は 今日も木の下で眠りこけては 馬鹿な人間が訪れるのを待っていた
図1ですよ |
このようにして、自分の分かるものは大抵パターン化して認識していたように思います。青い空、女の子→リボン、ママ→エプロン、犬は→ワンワン、マンガに出てくる子ども→いたずらっ子でよくテストで0点をとる、お皿を洗うと→1枚は割る、ピアノ→ねこふんじゃった、などと、自分の手の届かない世界までが、テレビマンガや童話、そしてそういう各種情報が飛び交う「幼稚園生の会話」によって、自分のものとなっていたわけです。ただし、それは、あくまで薄っぺらで、そのような「形式」としかなり得ない世界としての所有です。
力尽きています。 |
「ここは、どこだ?」
ゆっくり目を開くと、彼はつぶやいた。
ぼんやりと見えてきた景色の中に、それに答えてくれるような人はいなかった。やがてもっとはっきり見えてきても、そこがどこなのか彼にはますますわからなかった。大きな、奇妙な形の木の下には、牛のようなネコのような動物が眠っていた。ささくれたむらさき色の地面と、にぶい金色の空がつづいている。
◆◇◆
疲れたけものの眠りを掻い潜って走れ
その木を見上げることなく むらさきの地面を蹴って
空にも似た壁を破りながら 誰もいない荒野の果てを笑って
キラキラ星の彼方さえ 背中の向こうに消えるころ
神様の手を借りず目覚めた世界が始まる場所で
大あくびして縄跳びでもしよう
金色の空は火星の影の中
それが夕焼けか朝焼けか分からなくても
空に開いた穴から吹いてくる風を深呼吸すればいいから
That is the land where we are livingかもしれなくて
◆◇◆
(こんな感じが、48歳の考えた結び)。
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