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2014年2月12日水曜日

Something dancing in the kettle

はるか遠くにに嫁いだ料理好きの母のために、折々に彼女の旧友たちが、地元の食材を送ってくれる。
ついに、それほど好きだった料理さえ、老いた母は諦めつつある。
そういう年末年始を越えて、いろいろと状況は動いて、私は適当に巻き込まれて今に至る……みたいな感じ。

そうして彼女の元に届いた大量の様々な豆類を、無駄にするのももったいないので、荷造りして実家から自宅に送った。田舎にもかろうじてあるファミリーマートから。
情けない話だけど、正月に実家で過ごす時間の息抜きに、一人で無個性なコンビニに行くとようやく、自分の暮しに戻れるような安堵を覚えて、その空間に耽溺していた。

大量の豆が自分から自分に届く。料理は苦手ではないけど、食べるまでに時間がかかるから、かなりしんどい食材だ。

気の重い都知事選が、大雪の土曜日のあと、気の重い結果に終わって、ようやく今日私は、豆のことを思い出す。料理のできなくなった母から相続した大量の豆を、料理して食べなくてはいけないこと。

泣いたり笑ったりお風呂に入ったりしながら、結局は安酒に酔っ払って、生まれて初めて小豆を炊いた。まだしも初心者用の豆だもの。
茹でなくちゃ。
食べなくちゃ。
一人娘の私が。家庭を持つことに、しくじった私だとしても。

大雪のあとの東京には、今日にもなるとあちこち、ゾンビのように原型を失った無数の雪だるまたちが、所在無く立ち尽くしている。

鍋で踊る小豆を炊飯器に入れて、小豆ごはんを仕込んだ。タイマーをかけて、明日の朝ごはんになるはず。

一人で食べたら、それを週遅れの春節にして、まためでたく生き延びていこうと思うの。

駅前の串揚げ屋さんと洋服屋さんの間に出現。



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