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2013年12月8日日曜日

壊れた自転車を修理する

12月4日夜。
いよいよか、と、国会前に行く。警官などはあまりいない。
帰りがけ、議事堂正門に近づいてみると、議事堂には灯りが点っていて、何やってんだろな、と思う。風邪が悪化して悪寒がする。中野の安い飲み屋で、焼酎の抹茶割り飲んで帰った。





12月5日。
仕事を切り上げて国会包囲に行きなさい、と、上司のありがたい配慮。
太鼓でコールを続けるのは、呪術的な麻酔効果があって、長時間立っていられる。委員会採決があったという報せが入って、「採決撤回」「ファシスト消えろ」のコール。たくさんの知り合いが、思い思いの佇まいで、それぞれの場所にいた。坂上の安い飲み屋で、熱燗飲んで帰った。

飛行機雲とヘリコプター


12月6日。
友人用に小型のスネアと、自分用にパーランクと、仕事用のノートPCと抱えて、出先で仕事。
吐き気と間断ない下痢。階段を上るのも辛い。こりゃ無理だ……と、タクシーで閉院時間間際のかかりつけに行く。「あー、ウイルス性腸炎だね。しばらく絶食ね」。
安倍の悪口言いすぎた祟りか……。
ウェブの中継と、結局仕事後に一度帰宅して自分のスネアを持ってかけつけた友人から、メールで刻々の様子を知る。
特定秘密保護法の採決されたそのとき、ポカリのお湯割り飲んで臥せってた。

12月7日。
朝にかかりつけに行き直す。待合室にあった東京新聞で、大袈裟みたいな段抜き記事の数々をぼーっと読む。何なんだろう、歴史の転換点って、そうなのかしら。本当に、嫌な時代が来るのかしら。歴史の教科書に載ってた、「堂々国際連盟を脱退」みたいな新聞記事の写真と同じように?
インフルエンザワクチンを打ちに来る子ども連れがたくさん。待合室の臨時ベッドで点滴を受けている間、元気いっぱいのお子たちが絵本を朗読し、ベッド周りのカーテンをじゃーっと開ける。診察室に入ったとたんに大泣きして、「ぎゃーん。いーやーだー。いーたーいー」「がんばれるって言ったでしょ。それじゃサンタさん来ないよ。キョウリュウジャー持って来られないわよ」「ぎゃーん。がんばれないー」などなどのエンドレス。

◆◇◆

おかげで午後には、しゃきっと歩けるようになる。
能天気な冬の青空、遊びにも両親の世話にも行かない病人の休日。

長い間、タイヤの空気が抜けてしまう自転車を修理できずにいたので、近所の自転車屋さんに持っていった。メカニズムを熟知していて、どんな不具合でも器用に直してくれて、メンテナンスの助言をくれたりする人が、チェーン店ばかりの昨今でも、まだ街には何軒か店を構えている。どこぞへ出かける行程の半ばで、にっちもさっちも行かなくなってしまった自転車をささっと直してくれた、あの街この街のクラフトマンたち。よほど気難しい人に当たらない限り、行けば幸せになれる場所のひとつかもしれない。

近所の店は親子でやっていて、後輪をおじいさんが、前輪を若旦那が総出で直してくれた。「パンクじゃなくてバルブですねー。ライトも調べておきますか」「はい、お願いします」。
ドーナツ椅子に、おかみさんの作品らしい色鮮やかなアクリル毛糸を鈎針編みしたカバーがかけてあって、そこに座って待つように勧められた。修理場に置かれたテレビには、杉村タイゾウと太田ヒカルが映ってて、「杉村さん、安倍さんには会ったことあるんですか?」「ありますよー。でも、あんまりあの人って、印象に残らないんですよねー。麻生さんはスゴイです。あの人は強烈です。テレビで言えないようなものすごいことを言ってますよ」などなど。土曜の午後、どーでもいーようないつものテレビの風景。

「ライト、電球は生きてるんだけど発電装置がダメになってますね。取り替えると高いから、装着式の懐中電灯みたいののほうが安いですよ。手回し充電で、ここに付ければいいので。電池も要らないんです」「あ、いいですね、それにしてください」「色は、この黄色いのしか残ってないんで選べないんですけど、いいですか」「はい、ありがとうございます」。

見事に復活した「漕げよマイケル号」で、久しぶりに風を切って走った。何だかどこまででも行けるような気分になるな。やっぱり自転車は自由の乗り物だぜ。春になったら、また遠出をするぞ。

しかも、かっこいいライトまでさらに装備。夜道も安全運転で爆走だ。
渡るぜ環七、登るぜ十貫坂。今度は茱萸坂だって、登ってやるぜ。
油で黒くなった若旦那の指の跡が、黄色いライトの上に残っていて、なんだか可愛らしかったよ。

おかきの播磨屋トラックも爆走



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