「ぜつぼうしてはいけないと、たぶん神さまは言うでしょう。言うでしょうったら」
金色のチーズの塊に躓いて
怯えているのは膝を擦り剥いたからではなく
では遠くに見えた稜線の暗い深緑か
なぜ泣いたりしたのでしょう
慰めてくれる今はいない ぶち犬のことを 思い出しても 仕方ないのに
それでも走って行け
それも叶わぬなら這って行け
そよぐ緑のすすきの川原で
あんなにもたくさんの ショウリョウバッタが跳ねている
名も知らぬ外来植物薙ぎ倒して
偏平足で走って行け
怖くなっても水辺まで
喉が渇いても
飲めぬ水の流れる川へ
たまに叫びたくなる夜には
それならこっそり咳をすればいい
きっと誰も知らぬことだから
だから喉から血が出るくらい
きっとよくありふれた話だよ
どこにでもある つまらない話だよ
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