風来坊

……というのは、私の父が自意識過剰なティーンのころに、仲間と作ってた文芸誌の表題だ。大人になったら赤面するような若者の気負い、でも、その娘は同じ年頃に、本棚の奥にあったその恥ずかしい同人誌を、盗み読みしていたんだぜ、父ちゃん。戦後生まれの私には、この名前に託した語感のリアリティがよくわからない。
まあ、昭和1ケタの父が、娘がネットの辺境にこっそり記した文章など気づくこともないだろうから、このへんは余談です。

ぶつぶつ、ぐだぐた、愚痴ばかり言いながら、最近の放浪。

6/16：「憲法！崖っぷち！６・１５（ひみつ！）作戦会議」を見物に。実は、想田和弘氏の話が聞きたかったというだけのモチベーション。ご来場のご年配の方々の気迫に、いやいやいや、無理っす……という感じでしょんぼりする。想田氏は「目の前にゴミがあれば拾うだけ」と笑っておられたが、個人のささやかな営みが、いつか世界を変えるという幻想に支えを得られれば。それはそれに越したことはないけど。

6/27：「守れ憲法！６・２７中野パレード」。改憲の動向はキナ臭いし、夜のデモって楽しそう…という適当な理由で参加。精鋭ドラム隊はわずか2名（のちスネアの方がお一人合流）、魂のコーラーはDJ某さんだけど、あとはほぼご年配の諸先輩方。楽器足りないからと急遽タンバリンを貸していただいて、素手で叩くと掌が痛いのだなあ、と実感。
狭い店内に入りきれず駐車場でビール飲んで、杉山公園でぐるぐるぐる。

6/29：「それでも自民にいれちゃうの？デモ」

集合場所の公園に立ち寄った板前ふうのおじさん、「わはは。安部支持？あ、逆なの？　いいねえ、こりゃあ過激じゃなくって、楽しそうだあ」。

主催者がどんなに周到にネタを仕込んでも、大音量でそれを台無しにしちゃう有象無象な非正規ドラム隊が勝手に集まったことが面白かった。歌舞伎町、新宿駅前、意外な笑顔に迎えられる。

浮き沈み激しい最近、疲れているのは変わらないし、無責任に感傷的になることがあってもよいでしょうか。

参院選？　えーと、まあそれは、行ったほうがいいとして、とりあえず今夜は、こんなところで。青臭い逡巡のもろもろは、まだつづく。