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2012年1月23日月曜日

「ただ なんとなく面倒くさくて」

週末より風邪ひき。この冬何度目かもよくわからない。

せっかく風邪薬を持って訪ねてくれた友だちに、たかがトイレットペーパーの置き方くらいのことで、とげとげしい言葉を投げてしまったことを、今になって悔やんだりして。

地震のあと、「フランチェスカの鐘」を何度も聴き直した。
修道院云々のエピソードは、自分の記憶からすっかり抜け落ちていて、子どものころに既に「懐メロ」だったこの曲は、適当にさよならバイバイした人が、原子爆弾で死んでしまった歌なんだと、勝手にそう思っていた。
地震を機に、結婚を考える人が増えたというけれど、自分の場合はそういうこともなく、ただ、「こうして何気なくある日、ひとりで死んでしまうんだなあ」と思った。

地震の直前に打ち合わせをしていた人は、あのまま電車に乗って、きっと死んでしまったのではないか。もう二度と会えないのではないか。
喧嘩して口もきかずにいる人は、サーバの下敷きになってはいないか。もう二度と会えないのではないか。
東京よりも震源地に近い実家は、潰れてしまったのではないか。身体の悪い母親は、逃げようがなかったのではないか。死んでしまったのではないか。

結局、さいわい誰も死んでなかった。でも、そんなふうに誰かとの間柄が急に終わってしまうことがあり得るなら、日ごろからもう少しまともな接し方をするべきだよな、と思ったもんだ。そのときは。

めずらしく殊勝な心がけがきちんと持続するわけもなく、トイレットペーパーの置き方が気に食わなくて癇癪を起こしたまま、いびきがうるさいと腹を立てたまま、同じ話を繰り返すことにいらいらしたまま、借りたマンガを返し忘れたまま、ある日あっさり二度と会えなくなるのかもしれない。
せめて老い先の短い両親くらいには、もうすこし親切にしたいものだけどね。

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