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2011年10月27日木曜日

渋谷からの悲鳴

(あえて未消化なまま書いてみます)

先日のネイキッドロフトでの大らかなバージョンの上映に続き、今夜はより編集が加えられて、濃密さが増した感のある(日常の五官を拒絶する異化の度合いが激しい……)UPLINKでの「劇場版」に行ってみた「原發供養ノ夜」映像記録。
実際の上演を見そびれたのだが、当日の温度や、刻々と進行する事態に直面する体感は映像によって追体験し得ないにせよ、さして間を置かず、当事者自身の手による記録を見られるのはありがたいことです。

(アートの現在地への認識をめぐる、キュレーターと当事者たちの視線に、何となく齟齬があった感じは、さておき)

見ていると身体がこわばって、掌が汗ばんだ。
まるで気が弱いんですよ、私。

ロフトの時にTwitterで断片的な感想を記したが、そう。
私、もともとはメロディのない表現が得意ではなかった。
だが、いま私たちが置かれている状況を表すことばには、ああやって搾り出す悲鳴やノイズこそが、ふさわしいのかもしれない。
リボンの付いたキティちゃんのぱんつや、青空をふわりと舞う黄色いちょうちょう、もしくはいちご味のアイスクリームでもあれば機嫌のよいような私ですら、初めて、鼓膜を引っ掻くようなガイガーカウンターの音に痛みを通わせ、「そう、そんなふうにしか、言えないもの……」という、この国の異形の現在を共有せざるを得ないのだ。

監修者はグラン・ギニョルの方法について述べていたが、むしろ私が思い出してしまったのは、昔のお坊さんによる庶民教導の「地獄絵図」絵解きのいかがわしいレトリックだった。
「ほーら、おイタすると、こんなひどい来世が待ってますぜー」

原発宣伝施設が、極楽浄土を説く、安っぽいプロパガンダであるならば……

アトミックサイトが、地獄の因業を描きながら供養した彼の危険な人工物は、西方浄土に行けるのかしら。
それとも、どこか、容赦ない鬼やら、怖い永劫の罰が待つ辺土にでも、送られて行くのかな。

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