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2016年9月6日火曜日

百日紅

週間天気予報は外れっぱなしで、朝にニュースをつけると、連日の新しい見通しに面食らう毎日です。晴れるの? 暑いの? 豪雨なの?

台風の行方次第なのかしら、などと仕方なく納得するしかないようだから、洗濯の予定も、お昼ご飯の予定も、また、いちから組み直す。

真昼にご飯の食材を買いに自転車で出かけたら、青空の隙間に涼しい風が吹いて、台風のせいで終わったと思っていた合唱には、つくつく法師が加わっているし。

そうだこれはたぶん、夏の終わりだ。

子どものころに通う小学校のプールは、屋外にあった。くすんだ針葉樹の並木が、塀の代わりに取り囲む。だから水面には枯葉だの虫だのが落ちて、水の泡を縁取りにして、みっともなく浮かんでいた。

水中にもぐって、無理矢理に目を開けて青空を見上げると、ゆらゆら横切っていく枯葉。蝉の声はその時、止めた呼吸と一緒に息をひそめる。プールの水のレンズ越しから空の色合いの変化に気づいて、夏休みが終わる予感に驚く子ども。

泳いで濡れた重い髪の毛を持て余して、耳に残った水が音をくぐもらせる。足の指が痛いビーチサンダルに気味悪くまとわりつく校庭の土、赤いリンゴ模様の透明なバッグの中で重くなった水着とタオル。

さるすべりの紅い花、まるで永遠に咲いているかに思われたのに、はらはらと散り、乾いた地面の上で風に吹き寄せられ、歩道の縁に積もる。

同じ夏は二度となくても、歳だけを重ねて、いつかすべて忘れてしまうはずの景色だけが、目を瞑った暗がりの彼方へと。もう幾度目の9月、これから何度出会う9月か。




ぶひ。

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