Croppy Boy
(=1798年のアイルランド独立闘争に加わった青年たちに与えられた蔑称…らしい)
春まだ浅い そのころに
鳥はさえずる やさしい歌を
木々の間に間に 節を変え
歌うは われらアイルランドの自由の歌
夜もまだ更けぬ そのころに
地主の騎兵に一戦を挑まれ
この地主の騎兵が 災いのもと
コーンウォールの領主に捕らわれた俺
俺が放り込まれたのは 番所
裁きの場所は 屋敷の客間
刑が告げられ 青ざめた
ダンキャノン送りと聞かされて
父さんの家の前を 過ぎるとき
ウィリアム兄さんが戸口にいた
老いた父さんが戸口にいた
そして優しい母さんは 頭を抱えて泣いていた
ウェクスフォード通りを過ぎるとき
俺のいとこに出くわした
俺を売ったのは このいとこ
たかが1ギニーに忠誠立てて 俺の命を差し出した
メアリー姉さんは報せを聞いて
礼服姿で駆け下りて来た
500ギニーだろうが 投げ打ってもいい
ウェクスフォードの街で きょうだいが無事でいられるなら
ウェクスフォードの丘を登るとき
泣きに泣いた俺を 咎めてくれるな
振り返っても 行方を見ても
優しい母さんは もうどこにもいなかった
高い壇上に乗せられたとき
老いた父さんが 傍にいた
老いた父さんは 顔を背けた
逆賊の小僧など知りません と
この若者が死んだのは ダンキャノンの地
そしてダンキャノンの地に 若者は眠る
ここを通る善男善女よ
この逆賊の小僧のために 祈っておくれ
***
詳しい歴史的な背景はよくわからんのですが、小学生のころに通っていた英語サークルの教材『Songs of Folks』とやらにこの歌がありまして、当時からわけもわからず好きだった歌です。そんなわけで、訳には間違いがあるかもしれません。今でも時々鼻歌で口ずさんでいますが、メロディはこのバージョンとちょっと違っています。
自由を夢見る季節は、やっぱり春が似つかわしい。枯れる命と、倒れてもまた芽吹く命と。
0 件のコメント:
コメントを投稿